HSP35歳サラリーマンのブログ

自分で自分の人生のハンドルを握るために

【ブックレビュー】超入門 資本論~だから労働者はいつまでも楽にならない~

こんにちわ。タイキです。

 

今回紹介する本はこちらです。

 

 

 

 

本家本元は、ドイツの思想家であり経済学者であるカール・マルクスによって1860年代に出版された大著(3部作)です。

 

おいおい、共産主義経済の話でしょ?しかも150年前って時代錯誤過ぎやんという声が聞こえてきそうですね。

 

かくゆうボクもそういうイメージを持っていました。

 

でも、この「資本論」は、資本主義経済の本質・仕組みについて説かれており、

少なくとも次の点について、マルクスは150年以上も前に答えを提示していたのです。

 

  • サラリーマンがいつまでたってもしんどい理由
  • 仕事していないおじさん達が自分よりも高給な理由
  • 企業の利益率が下がっていく理由

etc...

 

では少し紐解いて紹介していきます。

 

サラリーマンがいつまでたってもしんどい理由

 

そもそも僕らの給料はどう決まっているのでしょうか。

僕たちの生産性の証でしょうか?

 

いえ、違います。そこにはちゃんとしたメカニズムがあります。

 

マルクスによると、すべての取引は「商品」であるとし、したがって、それは僕らの労働力も同様であるとしています。

 

そして、いち商品に過ぎない労働力は、「商品」と同じメカニズムで値段(=給料)が決まる、と説明しています。

 

ではここで気になるのは、そもそも商品の値段の決まり方。

 

商品の値段は、「価値」と「使用価値」という二つの要素で決まるとしています。

 

詳しい説明は本書をお読みいただくとして、

 

ざっくりいうと、「価値」とは、その商品をつくるのに要する平均的な生産コスト、「使用価値」とはそれを使うことで得られる消費者のメリットです。

 

そして、価格の相場を決めるのは「価値」、そこから価格を上下させるのが「使用価値」としています。

 

例えば、紙コップについて、原材料(価値)は紙であるため、どんなに使いやすく工夫(使用価値)された紙コップであろうが、1つ1,000円も2,000円もする紙コップは存在しません。

 

これを労働力に当てはめると、

「価値」・・・労働力の生産コスト、すなわち知識・経験・体力の回復・維持など

「使用価値」・・・会社が労働力を雇ったときのメリット、すなわち労働者が稼ぐ利益

 

となります。

 

すなわち、資本主義経済の視点からみると、給料の水準は、僕らが毎日元気に出社して生産活動を行うのに要するコスト(労働力を提供するための知識・経験のほか、会社でのストレスへの対価や一般的な生活費用)でほぼ決まるとしています。

 

 

ここに、「使用価値」(各人の能力)の多寡により、給料に多少の差がつく構造となっています。

 

残念ながら、この点、一般的な商品と一緒で、たとえ2倍の成果を出しても、せいぜい1.2倍程度しか給料は上がりません(筆者的には、肌感覚としてしっくりきました)。

 

このため、「頑張っても評価されない」と嘆くことはもはや筋違いで、成果を上げたら給料が上がるなんてのは、そもそも幻想だったのです。

 

 

上記要約すると、サラリーマンはいつまで経っても生きていくのに必要最低限の給料しかもらえない、と言い換えることができます。

 

これが、サラリーマンがいつまでたっても楽になれないカラクリだったのです。

 

仕事していないおじさん達が自分よりも高給な理由

上記の内容を踏まえると、会社でのさばるおじさん達が高給な理由がみえてきます。

 

要は、年齢が上がるにつれ、生産コスト(価値)が上昇するためです。

 

社内で職位が上がると、一定の責任が伴いストレスが増大します。職場の運営管理もしなければなりません。トラブルが起きれば、責任者として休日出勤も避けられないことでしょう。

 

また、年を重ねると若い頃より肉体的にしんどくなり、家に帰ると、新たに子供が生まれ長男は受験期を迎えて家庭はピリピリ。ようやくひと段落したと思ったら、親の介護問題が浮上。。。

 

このため、総じてみれば、20代の若者よりは40~50代のおじさん達の方が生きていくのが単純に大変になることから、会社はそれに見合う生産コストを支払うため、給料が高くなるのです。

 

少しは納得できましたか。やっぱり、できませんか。

 

 企業の利益率が下がっていく理由

労働者目線で語ってきましたが最後に、資本主義経済について企業からみた話にも触れておきたいと思います。

 

 一般の営利企業は利益を追求します。ではその利益はどうやって生まれるのか。

 

「売上ー経費=利益」という会計上の話ではありません。

 

本書では、

 

労働者は自分の労働力の価値よりも多くの価値を生産し、そしてこの差額分が剰余価値とされるのです。

これが、企業が利益を生み出せる理由です。

 

とあるとおり、企業の利益は労働力を安く使うことでしか、利益を上げられないとしています。

 

どういうことかと言うと、加工品(商品)はどこまでいっても原材料と素材としては同等の価値(不変資本と言います)であり、そこに付加価値を付けられるのは労働(可変資本と言います)だけであると。

 

そうした中、一般に企業は他社より少しでも生産効率を上げるために、分業化・機械化を図っていきます。すると構造上、次のサイクルが発生すると説明しています。

 

利益を増やそうと分業を進め、分業をするからこそ、機械化が進みます。そして、機械化するからこそ、商品の価値が下がり、付加価値を生み出す労働者が減り、結果的に利益が長期的に減っていくのです。

 

利益が減れば、さらに労働者の首が切られて・・・という図式が出来上がるというわけですね。

 

 

まとめ

本書の内容を少しだけ紹介しましたが、

 

「え、資本主義の仕組みって150年以上前から全然変わっていない!」

「労働者階級のままじゃ一生苦労し続けるじゃん」

 

ということに気が付けたと思います。

 

本書後半では、こんな資本主義経済下で生き抜く術についても書かれています(個人的には、わりと一般的な内容でしたので、前半部分ほどのインパクトはなかったですが・・・)。

 

 いずれにしても、前半部分は全サラリーマン(になろうとしている方も)必読です。

 

いくら頑張っても給料は上がりません。

 

本書を読んで労働者という現実に絶望しますが、仕組みとして楽にならないってことが分かったなら、もう立ち上がるしかないと思います。

 

ボクも脱労働者を目指して頑張ります。

 

今日もお読みいただきありがとうございました。